【花まるコラム】『暑い夏、熱い夏期講習』柿花尚吾

【花まるコラム】『暑い夏、熱い夏期講習』柿花尚吾

 「失礼します!」
 途切れなく響く蝉の声も、鬱陶しいほど降り注ぐ真夏の太陽もすべて跳ね返すかのような、子どもたちの元気な声が職員室に響きます。
 スクールFCの夏、夏期講習。
 スクールFCでは、小学生は2月から「新学年」となります。7月には、新学年としてFCに通って半年近くが経つことになります。半年も通えば、子どもたちもすっかりFCっ子。毎年、4年生の授業で5月に実施する子どもたちへのアンケートの回答は、「FC最高!」「FCはおもしろい!」「先生大好き!」といった、嬉しい言葉で溢れています。
 そんなFCが大好きな4年生たちであっても、「夏期講習」と聞くと顔が曇ります。なにせ、せっかくの夏休み。「学校の宿題があるんだし、勉強はそれだけでいいじゃん!」と言う子もいます。「先生たちもいつもよりも元気に、みんなと授業できるの楽しみにしているから!」と伝えても、「ウーン」といった反応です。
 去年の4年生の、夏期講習初日。いつも通り快活に入室する子もいれば、暑さからか、はたまた「せっかくの休みが…」という恨めしさからか、いつもより少し元気のない子もいます。私は毎年、「待ってました、夏期講習初日っ!楽しみすぎて昨日なかなか寝つけなかったよって人、手を挙げてー!」と問いますが、ほとんど手は挙がりません。(気をつかって、何人かの子たちだけちょこんと手を挙げてくれます。かわいらしいです。)みんな、口々に「そんなわけないじゃん!!」と元気に反論してきます。「大丈夫、絶対楽しいから。帰るときには明日も来たくてたまらなくなるから」と自信満々に言っても「そんな病気にはかかりませーん!」とのお返事。
 しかし、私たちも無策で講習に挑むわけではありません。一定期間、毎日続く夏期講習。淡々と授業をするのでは気持ちがもたないのは百も承知です。いつもの授業と同じように、「楽しめる」仕掛けがいくつもあります。子どもたちの気持ちをうまくのせて、楽しく前向きに勉強できる場を、作り上げています。
 国語の授業。これまでに習ってきた「ことカン(ことわざ・慣用句)」のクイズで盛り上がります。「『え、三つも忘れ物をしたの?ふふん、オレは二つしか忘れ物をしてないぜ!!』さぁ、このことわざは…せーのっ!」「五十歩百歩!」「正解!もう一個あったね!わかる人どうぞっ!」「どんぐりの背比べ!」この時点で、子どもたちの表情は、いつもの授業と同じように生き生きとしてきます。「今回の読解の記号問題、一発で正解できたらすごいぞ…!よーく悩んで、これだっ!というものを選んでね!」と問題を渡せば、「絶対正解してやる!」と意気込んで挑みます。
 他教科でも、理科社会の「カルタ大会」や、「約数大富豪」という算数のゲームなどに「本気」になって取り組み、子どもたちは学びのおもしろさを味わっています。そして、一学期の授業内容を復習していくなかで、「あれ、できるようになってる!」「あのときわからなかった問題が、できるようになった!」といった喜びや達成感が、さらに子どもたちのやる気を引き出しているのが手に取るようにわかります。
 授業を終えた彼らは「思ったより短いじゃん!」「え、もう終わり?」と興奮気味に口にします。「また明日ね!」と言うと、すんなり「はーい」と答え、教室を後にします。してやったり、です。
 「失礼しました、さようなら!」
 充実感にあふれた表情で、子どもたちが帰っていきます。

 4年生が帰る頃、校舎では受験を控えた5・6年生や中学3年生がまだ勉強をしています。彼らの多くは、低・中学年のときにFCを大好きになって通い続け、「本気は楽しい」というスローガンのもと、受験勉強に励んでいます。「先生、ことカンのクイズの声聞こえたよ!懐かしいわぁ」などと懐かしみながら。

 今年も、私たちはすべての子どもたちを楽しませながら、「学びのおもしろさ」を届けます。FCの熱い夏が、始まります。

スクールFC 柿花尚吾(2022年)


*・*・*花まる教室長コラム*・*・*

それぞれの教室長が、子どもたちとの日々のかかわりのなかでの気づきや思いをまとめたものです。毎月末に発行している花まるだよりとともに、会員の皆様にお渡ししています。

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