【イベントレポート】旅する読書~大人のための読書講座~2022年度第9回「時空をこえた旅へ ~SF、ファンタジーの傑作たち~」

【イベントレポート】旅する読書~大人のための読書講座~2022年度第9回「時空をこえた旅へ ~SF、ファンタジーの傑作たち~」

スクールFCの人気国語教師 平沼純による連続読書講座「旅する読書~大人のための読書講座~」。今年度第9回となる1月は、「時空をこえた旅へ ~SF、ファンタジーの傑作たち~」というテーマでお送りしました。

あけましておめでとうございます!

年始のご挨拶代わりに、ショート・ショートの神様、星新一氏が知人に宛てて書いた言葉をお届けします。

「ことしもまたごいっしょに九億四千万キロメートルの宇宙旅行をいたしましょう」

これは、地球が太陽の周りを一周する距離だそうです。私たちは気づかないうちにこんな壮大な移動をしているのですね。

 

いまこそSF!

さて、今回は本講座での初テーマ、「SF特集」です!

まず、いまSFに注目すべき理由を3つ挙げました。

一つ目は、「SFは未来を予見する」ということ。携帯電話、人工知能、バイオテクノロジーなど、いま現実となっているもののなかには、過去にSFで描かれてきたものが多数あります。一方で、絶対に現実になってほしくない未来も描かれてきました。そのような作品群も、恐ろしさを想像し、どうしたら防げるか考えるための貴重な財産です。

二つ目は、「SFは人間の『やわらか頭』を養う」という点。「もし~だったら」という設定で世界を作り上げる思考実験系のSFは、現実に新たな視点を与え、「社会とは」「自分とは」といった思考を推し進めてくれます。

 


『ギヴァー 記憶を注ぐ者』ロイス・ローリー 著・島津やよい 翻訳/新評論

そして三つ目は、「SFはあらゆる分野を縦横につなげる」ということ。SFはさまざまな分野の境界をとびこえるジャンルとして、世界、人間、歴史を多面的に見る姿勢を養えます。

知られざるSF作家

海野十三(うんのじゅうざ)氏をご存知でしょうか?実は昭和初期に活躍した、「日本SFの始祖」の一人とされる作家です。本日のゲスト、臼杵遥志が海野十三の『透明猫』を朗読しました。

 

SFマンガが描いてきた「未来」

日本人はあまりSFを読まないと言われますが、実はマンガという形で幼少期から触れているとも言えます。

「豊島区立トキワ壮マンガミュージアム」「宝塚市立手塚治虫記念館」。「川崎市藤子・F・不二雄ミュージアム」…。 平沼が訪れた漫画界レジェンドにまつわるスポットを、たくさんの写真とともにお届けしました。

 

そして『小説版 ドラえもん のび太と鉄人兵団』(藤子.F.不二雄 原作 瀬名秀明 著/小学館)に登場する場所とともに、そこに込められた未来へのまなざしを共有しました。

今回のおまけコーナー

講座終了後、『ドラえもん短歌』(枡野浩一 編/小学館)から短歌をいくつかご紹介しました。全国から寄せられたという短歌はくすっと笑えるもの、奥が深く考えてしまうものなど、傑作が多数!みなさまもぜひ一首、詠んでみてはいかがでしょうか。

(2023/1/19, 21実施)

 

📚今回の講座に関連するブックリストをスクールFC公式WEBサイトで公開しています。
https://www.schoolfc.jp/extension/j-hiranuma/2022/#january

📚次回講座は3月16日(木)・18日(土)です。
3月は今年度最終回!「子どもの本の未来~『これまで』と『これから』~」というテーマでお送りします。
▼詳細・お申し込みはこちらから
https://www.schoolfc.jp/extension/j-hiranuma/2022/

当講座では、お申し込みいただいた方を対象に一週間の見逃し配信をおこなっております。当日ご都合がつかない方も、ぜひお申し込みいただき、お時間のあるときに視聴していただければ幸いです。

 

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