西郡コラム

【西郡コラム】『学びの指針“学習の心得”(三)』 2021年4月

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 西郡学習道場は、子どもたちが主体的になって学習と対峙し、自分を鍛える場です。
 ここでは、そのための指針として子どもたちに伝えている全二九項の道場心得を紹介しています。
 子どもたちが生涯学んでいく“道”の中で、迷ったとき、悩んだとき、自分を見失ったときに、学びの原点に立ち返り、自分を信じて、学び続けてほしい。“道場心得”の一つひとつに思いが込められています。

一、人に頼らない、自分のことは自分でやる

子どもの自立が親の願い。子離れ、親離れ、今は依存していても子どもは近い将来、自立する。本来、学習は子どもを自立させていく。自分で何とかしなければ、誰かに何かに頼って依存していては問題を解決できない。自分で何とかしよう、何とかする、自分がやるしかないと自ら引き受けたとき、子どもは変わり、自分の学習が始まる。自立するために学び、すべての学習が自立に向かう。最初は補助輪をつけ、押してあげるようなことがあっても、最終的には自分で漕ぐことでしか進まない。学習面はもちろん、生活面でも自分のできることは自分でやりなさいということ。自立に向かわない学習は働けない大人をつくる。

一、他人のせいにしない、まずは自分を見つめる

できない、わからない、上手くいかないは当たり前。できない、わからない、上手くいかないから学んでいる。間違えた、失敗した、思い通りにならない、続かない、自分に向かない、合わない、周りが煩い等々。その原因を他者に探せば、何らかしら見出せる、捻り出せる。しかし、他者に原因があったとしても、それを指摘したところで何も残らない、自分のためにはならないと分かるはずだが、窮地になればなるほどどこか他者のせいにする。あなたに非はないと誰もが認めるところであっても、自分は何ができたか、どうすべきだったかと自分を見つめ、考えることで、折角の経験を無駄にしないで済む。他者のせいにすると成長の糧をみすみす見逃す。

一、人の話は最後まで聞く、相手の真意を読み取る

いったい何を言いたいか、言いたいことはこういうことか、それは本音なのか。相手の真意を読み取るには経験がいる。多くの人間に接して、直観を働かせ観察して、予測して判断してみて、読み違えの失敗を繰り返し、痛い目にあって、ときには傷つき落ち込み、そういった苦い経験を積み重ねてはじめて相手の真意は少しずつ見えてくる。小説を読んで登場人物の心情を想像する、論説、評論等を読んで筆者の主張を考える、文章の読解も真意を読み取る力になる。算数・数学の図形問題で補助線を見出すのも読み取る力、芸術作品の鑑賞も読み取る力を養う。相手の真意を読み取ること、さらに物事の本質を読み取る力は生きる力になる。

一、人に分かるように筋道立てて話をする

“人に分かるように“は要約であり、自分の言いたいことは何か、何が重要かを絞り込む。相手に与える情報が曖昧だったり、多かったりすると伝わらない。“人に分かるように“は他者性でもある。相手の立場になって自分の言いたいことが理解されているかどうか。 “筋道立てて“
は論理的に順序よく、ということ。例えば、自宅から最寄りの駅、あるいは学校までの道順を言葉だけで伝える。道順を明確に描き、描いた道順を言葉にして順序立てて伝える。相手も同じ道順を描いていると想像、確信して話を進める。言葉のキャッチボールは弁証法、考える力を育てる。分かるように筋道立てて話すことは、相手の胸に的確に言葉のボールを投げ返すこと、言葉のキャッチボールは楽しく続く。コニュケーションがうまれる。

一、ごまかさない、できたふりをしない

学習するのは自分を成長させるため。学習にごまかしやできたふりは全く無駄なことだ。ごまかしやできたふりが通用すると思うこと自体、幼さや見栄えであり、いつかはばれる。たとえ、ごまかしやできたふりで他者をだませても、最後には虚しさが残る。学習する者として、虚しいと感じることが大切だ。本当にできているのか、分かっているのか、考えているのか、感じているのか、自分に正直になって問うことでしか自分の成長はない。“自分に正直に“は道徳ではなく学習法。才能に関係なく、誰でもできる学習法であり、持って生まれた能力を最も伸ばす方法でもある。学び続ける人は、成長とともに、ごまかしやふりとは無縁になる。

一、まずは自ら判断する、そして次に進む

あれこれ考え、迷い、悩み、思案することはいい。だが、堂々巡り、空回りの思考は深まらず、まとまらず、時間を無駄に使うことになる。間違えや失敗を恐れ、判断を先延ばしにすることも同じ。何を心配しているのか、恐れているのか。正解や成功に縛られない。どこかで判断して決断して検証して、改善・改良よりよくして、前に進む。間違えた、失敗したら、また、やり直すだけ、試行錯誤は学習の本質。熟考も必要だが、さっさと判断して先に進むのも必要。判断した後の修正や改善に重きを置く。よりよくの向上心も、まずは判断しないと始まらない。

西郡学習道場代表 西郡文啓


著者|西郡文啓

西郡文啓 1958年生まれ。県立熊本高校卒業。高濱代表とは高校の同級生、以来、小説、絵画、映画、演劇、音楽、哲学等、あらゆるジャンルの芸術、学問を語り合ってきた仲。高濱代表が花まる学習会を設立時に参加。スクールFCの立ち上げを経て、花まるグループ内に「子ども自身が自分の学習に正面から向き合う場」として西郡学習道場を設立する。2015年度より、「地域おこし協力隊」として、武雄市の小学校に常駐。現在「官民一体型学校」として指定を受けた小学校「武雄花まる学園」にて、学校の先生とともに、小学校の中で花まるメソッドを浸透させていくことに尽力中。

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