【松島コラム】『花咲く時期』 2020年1月

【松島コラム】『花咲く時期』 2020年1月

私のお気に入りのカレンダーは、同郷の星野富弘さんの詩画集カレンダーです。
「今年はどんな花や詩が書かれているんだろう」と、年の初めに一枚一枚めくる時間がなんとなく好きなのです。
「この花は6月ごろに咲くんだ」「この花の名前は知らないなあ」などとつぶやきながら、ネットで調べているうちに、だんだん草花に関する知識が増えてきました。
最近は出勤途中でも、道端に咲く見知らぬ花に足を止めてしまうことがあります。
以前なら目もくれず通り過ぎていたと思いますが、そういう歳になってきたということかもしれません。

四季折々に咲く花としては、春は桜やチューリップ、夏はひまわりやあさがお、秋は菊やコスモス、冬は椿や梅があります。
咲く季節はそれぞれ違いますが、その季節が来れば必ず花をつけます。
さて、人間はどうでしょう。
わが子の花咲く時期はいつなのでしょうか。
それを願うことはできても、その時期を想像することも難しいです。
そこに子育ての悩みが尽きない理由があるのですが、裏を返せば、思わぬところで子どもの成長に出会う喜びもあるはずです。

卒業生のお母様からいただいた言葉です。
「最初は中学受験に反対だったんです。小学生のうちは、スポーツや音楽など本人が熱中できるものを見つけてほしかったので。でも、わが子がこんなに勉強を好きになるなんて、受験をしなかったら親も気づけなかったと思います。最後まで本当に楽しく通うことができて、FCに出会えてラッキーでした。」

結果が大切なことは言うまでもありせんが、「幸せな受験」を掲げるFCとしては、何よりもうれしい言葉でした。

現場にいて受験生の成長を感じるのは、6年生の終盤、入試直前であることも少なくありません。
それも1月の入試を経験してから伸びる子もいます。
この時期の保護者の方々の精神的なストレスは相当なものです。
どんな言葉をかければいいのでしょうか。
わからなければ、あまり余計なことは言わず見守ってあげるのがいいようです。

最後の一か月、子どもたちはみんな、それぞれの花を咲かせようとがんばります。
受験だから当たり前なのかもしれません。
しかし今できる精いっぱいの力で、受験に向き合おうとする子どもたちの姿に感動しますし、土壇場で引き出される潜在能力の高さに驚かされます。

入試まで一か月を切った先日の授業では、子どもたちから「自学の時間をたくさんください」という希望があったので、いつもより長く時間をとりました。
今取り組むべき課題を自分で決め、自分の力でそれを克服しようとする主体的な学びができるようになると、自学タイムが最高の学びの時間になります。
質問も次々に飛んでくるようになります。
まだまだ成長の余地はたくさんありますが、小学生としてはかなり質の高い自学ができるようになっていることに、うれしくてニヤニヤしてしまいました。

全員が見違えるようにたくましく立派になりました。
何よりもみんな明るい、笑い声が絶えない素敵なクラスでした。
そんなかわいい子どもたちに出会えたことに本当に感謝しています。

FC生、道場生のみなさん。
自分の志望校合格に向けて、あきらめることなく、堂々と挑んできてください。
先生方は最後まで君たちの味方です。
応援します。

受験生の保護者の皆様。一番大変な時期ですが、わが子の合格を信じて、普段通りの生活をお願いいたします。

花まるグループに関わるすべての受験生に満開の桜の便りがやってくることをお祈りしております。



スクールFC代表 松島伸浩


著者|松島 伸浩

松島 伸浩 1963年生まれ、群馬県みどり市出身。現在、スクールFC代表兼花まるグループ常務取締役。教員一家に育つも、私教育の世界に飛び込み、大手進学塾で経営幹部として活躍。36歳で自塾を立ち上げ、個人、組織の両面から、「社会に出てから必要とされる『生きる力』を受験学習を通して鍛える方法はないか」を模索する。その後、花まる学習会創立時からの旧知であった高濱正伸と再会し、花まるグループに入社。教務部長、事業部長を経て現職。のべ10,000件以上の受験相談や教育相談の実績は、保護者からの絶大な支持を得ている。現在も花まる学習会やスクールFCの現場で活躍中である。

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