【松島コラム】『進む高大連携』 2023年6月

【松島コラム】『進む高大連携』 2023年6月

 先日、日本学園にお邪魔してきました。ご存知のように2026年度から明治大学付属世田谷中学校・高等学校として、明治大学の系列校になります。2025年には新校舎が増築され、共学化に向けて着々と準備が進んでいるようです。明治大学への優先入学は現段階では7割とほかの付属校(明明、明中、明中八王子)よりもやや少ないですが、今後の大学との話し合いでさらに優先枠が増えるかもしれません。
 さて、ここ数年私立中高と大学との連携が加速しています。青山学院横浜英和や浦和ルーテル学院、目黒日本大学のように大学の系属・系列校になる大きな動きもありますが、学校名はそのままに大学と教育連携や協定を進めている私学が増えています。高校からの大学の講義への参加、大学からの専門講師による出張授業、大学生や留学生との交流、協働研究などその提携内容はさまざまですが、指定校推薦枠とは異なる協定校推薦枠をもらえれば、高校にとっては教育面、経営面からも大きなメリットになります。
 大学側としても将来的な学生の確保としての魅力があります。恵泉女学園大、上智短大、実践女子短大などの募集停止からもわかるように、女子大や知名度のある大学でもその経営は厳しいと聞きます。名門女子大の花形であった東京女子大は9校、成城大は7校もの高校と連携協定を結び、東京理科大とかえつ有明・富士見、東京電機大と足立学園・豊島岡女子学園など、今や大学と高校との連携は当たり前の時代になっています。
 一方、高校側からも積極的な姿勢が目立ちます。例を挙げると、麹町学園女子が東京女子大・東洋大・日本女子大など6校と、湘南白百合が東京学芸大・上智大・順天堂大・北里大と、吉祥女子が東京外国語大・東京学芸大・東京農工大・国際基督教大・順天堂大・法政大と提携しています。もちろん、提携するだけで大学への優先枠があるとは限りませんが、中学・高校在学時に大学の講義を受けたり、大学生と交流したりすることで将来に向けての視野が広がり、大学受験の目的が明確になれば勉強へのモチベーションにもつながるというわけです。私立大学の入試の5割以上が、いわゆる高校までの学習歴を問う推薦型入試に変わってきていることも背景にあります。最近では三輪田学園と法政大の連携の強化、来年度2月2日に入試を新設した横浜雙葉と上智大との連携など、大学との連携の動きが中学入試の人気にも影響を与えるようになっています。
 こうした動きは、女子大や女子校だけではありません。東京慈恵会医大と芝、順天堂大と城北、日本医大と早稲田大学系属・付属校、昭和大と森村学園など医学系の大学と男子校・共学校が連携を進めています。独協医大と独協・独協埼玉の連携強化によって獨協中が人気になったことは記憶に新しいところです。
 少子化が進み、東京都であっても5年先、10年先をみれば、中学受験者数は減少に転じるという見方が一般的です。そうしたことを考えると私学の高大連携は今後も進むと思われます。しかし、付属校や系列校でも大学への推薦基準があるように、こうした高大連携をしている中学や高校に入学したからといって、提携先の大学に優先的に入学できるとは限らないということは注意しておきましょう。
 さて先月号でお知らせしましたが、ポッドキャスト「中学受験ナビ・スクールラジオ」は「幸せな受験ラジオ」と名称を変えてVoicyからも配信されるようになりました。通常配信は水曜日・土曜日ですが、ほかの曜日でもVoicyからのみ配信しています。中学受験のみならず高校受験や子育ての話など、今後は専門家の方やFCの先生もゲストとして登場する予定です。
 今回のテーマである高大連携やキャリア教育については、吉祥女子の先生にお話を聞いている回があります。2021年のアーカイブになりますが、興味のある方はこちらからお聴きください。よろしければ登録&フォローをしていただくと更新情報が届きますので便利です。どうぞよろしくお願いいたします。

スクールFC代表 松島伸浩


🌸著者|松島 伸浩

松島 伸浩 1963年生まれ、群馬県みどり市出身。現在、スクールFC代表兼花まるグループ常務取締役。教員一家に育つも、私教育の世界に飛び込み、大手進学塾で経営幹部として活躍。36歳で自塾を立ち上げ、個人、組織の両面から、「社会に出てから必要とされる『生きる力』を受験学習を通して鍛える方法はないか」を模索する。その後、花まる学習会創立時からの旧知であった高濱正伸と再会し、花まるグループに入社。教務部長、事業部長を経て現職。のべ10,000件以上の受験相談や教育相談の実績は、保護者からの絶大な支持を得ている。現在も花まる学習会やスクールFCの現場で活躍中である。

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