【19】宝物が増えた!
今年の夏もサマースクールで子どもたちが成長する様子をたくさん見ることができました。2年生のYちゃんが初めて参加したコースは、初参加の子ばかりのコースでした。バスに乗ったときはまだ緊張気味で、楽しみと不安が混ざった表情をしていました。彼女に今回のサマースクールの目標を聞くと、「友だちをたくさん作りたい」「自分で髪の毛を洗えるようになりたい」「川で魚をつかまえたい」と、たくさんの目標がでてきました。少しずつ友だちと打ち解けてきたころ、「私、昨日まではお母さんと離れたくなくて行きたくなかったけど、なんか一生の思い出になる気がする」と呟いていました。
1日目、子どもたちが1番楽しみにしていたのは川遊び。初めて魚つかみに挑戦するという子が多く、すいすいと泳ぎ回る魚に悪戦苦闘しながらも必死に魚を追いかけていました。始めは「魚怖い!リーダーがつかまえて!」と言っていたYちゃんですが、友だちが頑張る姿を見て「待って、自分でつかまえられるかも。」と勇気を出して魚つかみに挑戦します。「あそこに魚いるよ!」「こうやって持つと良いよ!」と友だちからアドバイスをもらい、あきらめずに何度もチャレンジしました。そして見事、魚をつかまえることができたYちゃん。「魚ってぬるぬるしてるんだね!」「背中がキラキラしていてきれい!」と新たな発見もありました。つかまえた魚は宿に帰ってきてからみんなで食べます。実は、Yちゃんは魚が好きではなく、これまであまり食べたことがありませんでした。しかし、「自分でつかまえたから食べてみようかな…」と挑戦し、「魚おいしかったね。ふわふわしてた!」と同じ班の友だちと嬉しそうに話していました。Yちゃんはこの2泊3日で魚つかみだけでなく、髪の毛を自分で洗ったり、みんなで協力して布団敷きをしたり、たくさんの挑戦をしました。周りのみんなの頑張っている姿を見て、「私も頑張ってみよう。」という気持ちが湧き上がってきたのでしょう。帰りのバスで、「サマースクールは楽しかった?」と聞くと、「楽しかった!みんなと友だちになれて宝物が増えた!次来たらまたみんなと会えるかな?」と満面の笑みで話していました。
サマースクールは親元を離れて生活するため、ときには寂しくなることもあります。しかし、仲間とともに勇気を出してさまざまなチャレンジすることで、どんどん逞しくなっていくのです。自分ひとりだけではなく、周りの仲間も勇気を出して頑張っている。そんな姿に刺激を受け「私も頑張ってみよう」と一歩踏み出す姿をたくさん見ました。Yちゃんは今回、再会したいと思える大切な仲間を得ることができました。「宝物が増えた!」その言葉がすべてだと私は思います。子どもたちには野外体験を通してそんな素敵な経験をしてもらいたいと思っています。
次の野外体験は冬の雪国スクールですね。子どもたちにとってどんな時間になるのでしょうか。今からとても楽しみです。