【20】「お得じゃん!」
花まる学習会の小学生コースでは、一部の教室で体験的思考力タイム30(サーティー)というものを実施しています。30とは、90分の授業時間にプラスして、毎回内容を変えた思考力ゲームをおこなう特別コンテンツです。
花まる学習会全教室の中で30をおこなっているのは○○教室を含め3教室のみで、今年は表現教育プロジェクト主導のもと、内容を一新することとなりました。
子どもたちは毎週30の時間を楽しみにしていて、授業が始まる前から、
「今日の30は何をやるの??」
と、わくわくが隠し切れません。
4・5月におこなった内容から、子どもたちの様子も含めていくつかご紹介いたします。
【名前覚えゲームDX】
花まる野外体験でもお馴染みの『名前覚えゲーム』の進化バージョン。通常は1人目が「○○です。」と名前を言ったら、その隣の人は「〇〇の隣の△△です。」と言い、またその隣の人が「〇〇の隣の△△の隣の□□です。」と、どんどん名前を増やしていきます。言っていく名前も増えるため、人数が増えていくごとに記憶力も鍛えられます。名前覚えゲームDXは名前の代わりに好きな食べものや教科、色などに置き換えることで、お互いのことをより知ることができ、学期初めなどにはもってこいのゲームです。
コロナ禍になってから子どもたち同士のかかわり合いもかなり少なくなってしまい、お互いの名前も、知ってはいるけれど呼んだことがないという子どもたちが大勢いた4月当初。最初は緊張した面持ちで始まったゲームでしたが、だんだんと表情も崩れ、「からあげの隣のカレー…」「あ、私も同じ~!」、「青の隣の青の隣の青です。」「みんな青好きなんだ!」などと、自然に会話も弾んでいました。
【えんぴつ落語】
落語家が扇子を使ってそばを食べたり、手ぬぐいを本にしたりするように、身近にあるものを別のものに見立てて動き、見ている人はそれが何なのかを当てるというゲームです。最初に例として、低学年の子どもたちが全員持っている四字熟語のテキストをスマートフォンに見立て、ペン2本を割り箸・フォークとナイフなどに見立ててやって見せました。
2つほど例を出したところで、すでに子どもたちはやりたくて仕方がない様子でうずうずし出していました。やることが理解できるとすぐに「やりたい!」というマインドになれる子どもたちに、驚きと喜びが隠し切れない瞬間です。
低学年では、『筆箱を使ってピアノ・パソコン・お財布・リモコン』『水筒を使って杵(お餅つき)』『鉛筆を使ってシャボン玉・膨らまない風船・拳銃・テニスラケット』『ティッシュペーパーと鉛筆を使って生クリームを泡立てる』、高学年では、『キューブキューブを使ってアイロン』『サボテンを使ってノートパソコン』『ファイルを使ってうちわ』『鉛筆を使ってカッター』『鉛筆2本を使ってコンパス』『筆箱と鉛筆でマッチ』…などなどアイディアが尽きることはなく、次から次へと問題が出題されました。
相手に興味をもつ、相手の思考を想像する、相手に伝わりやすいように工夫するなど、ゲームを通して思考力だけでなく、コミュニケーション能力も育むことができるのが、新体制30のよさだなと感じています。
今年卒業した6年生があるとき、
「え、30って他の教室ではやってないの!? 私たち、めっちゃお得じゃん!」
と言っていたことを思い出しました。今年度、パワーアップした30を経験した子どもたちがどう変化し、どれだけ心と頭を動かし躍動することができるか、とても楽しみです。これからも毎回たくさんの『お得感』を提供できればと思います。