RINコラム

【Rinコラム】『じゆうを知らない子どもたち』 2021年4月

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 先日、clubhouseという音声メディアでお話しした際に反響が大きかった「じゆうを知らない子どもたち」について、今回はさらにお話ししようと思います。

 保育園で子どもたちを見ていると、誰でもみんなが「なんで?」といろいろなことを聞いてきます。身を乗り出して、「次は何を学べるんだろう!」と、新しいことを知ることが嬉しくて仕方がない様子です。人は本来、学びたい生き物なのだなあと感じる瞬間です。
 「私は、与えられたものしか知りたくありません」というような幼児には出会ったことがありません。それなのに、「与えられたことだけをやる」ことに慣れてしまって、「次に何をすればいいのか」を大人に委ねはじめる子がいる。それは一体、どうしてなのでしょう。

 あるとき私は、「さあ、じゆうにやってもいいよ」と伝えたとき、「先生、次はどうしたらいいですか?」と聞く子がいることに気がつきました。それは一人だけではありませんでした。
 授業中なんども、「~を、してもいいですか?」と聞きにくる子もいます。「いいですよ、“自分が“やりたいと思ったことをやってください」と受容し続けます。これまで、すべてのことを大人に聞いて決めてきた子は、「自分で決める」ことを不安に思います。安心して、納得するまで、その質問はしていいのです。
 「どうしたらいい?それは先生にはわからないよ、あなたはどうしたいですか?」何度も何度も同じ問答をするうち、私は「じゆう」の意味について、子どもたちにまず初めに、言葉にして考えてもらう時間を作るようになりました。
 いつかその子も気がつきます。自分の人生は、自分で決めていくんだ、と。「じゆう」とは、責任が伴うけれど、達成感に満ちているものなのだと。

 もともと持っているはずの、子どもたちの好奇心を押し殺し、「これをやればいい」ことだけを、無理やり型にはめていないだろうか。夢中になっている、没頭している瞬間を、大人の勝手な価値観で遮ったり、自分で決めたりする体験を奪ってはいないだろうか。そのことを、今私たちは胸に問わなければいけないのだと思います。
 
 自分でじゆうに人生を決めていく時代に、「私はこれがやりたい」というものを、自分の中に持っている人であれますように。

井岡 由実(Rin)


著者|井岡由実(RIN)

井岡由実 国内外での創作・音楽活動や展示を続けながら、 「芸術を通した感性の育成」をテーマに「ARTのとびら」を主宰。教育×ARTの交わるところを世の中に発信し続けている。著書に『こころと頭を同時に伸ばすAI時代の子育て』 (実務教育出版)ほか。


『こころと頭を同時に伸ばすAI時代の子育て』(実務教育出版) 井岡由実 子どもの学力はテストの結果だけでは測れません。目に見えない能力いわゆる「非認知能力」がどれだけ発達しているのかその子の下支えとなっているのかが大切なポイントです。そして、「非認知能力」の有無は学力だけにとどまらずその子の人生をも左右しかねないほどの影響力を及ぼすのです。 子どもが絵を描いているとき工作をしているときお母さん・お父さんがどんな態度で接するのかどんな言葉をかけるのかでその子の将来が決まるとしたら…。 本書ではお絵かき、工作、手芸など手を動かしながら子どものやる気、忍耐力、好奇心、計画性といった「非認知能力」を伸ばす方法をお伝えします。

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