教育哲学

【Rinコラム】『じゆうに、やりたいようにーやりたいことがわかっている人に』2020年10月

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コロナ禍で、創作ワークショップ「Atelier for KIDs」もオンライン開催となり、はや半年がたちました。
このクラスの目的は、「”その子の分身である“作品を通した承認」です。
「より自由に、やりたいことが自分でわかっている」人であれるように。
意欲や自発性をそがずに、作品の多様性に触れ、様々な意見を交わしていくことのおもしろさ…その「環境設定」をとても大切にしています。(詳しくは拙著を参照ください。)

「1.じゆうに やりたいように つくってください」、とは、「自由に、自分の人生を生きてください」というメッセージです。
「先生の教えた通りにしなくてもいい。
でも真似をしたいと思ったらしてもいい。
なぜならあなたのこころが動いたということだから。
真似をしようと思っても、同じものなど絶対できない。
あなたというフィルターを通して、あなたにしかできない作品ができあがります。
だから、自分はどうしたいのか、ということを大事にしてください」と。

オンラインなのに、「いつも通りの創作の場がある」ということは、当時の子どもたちにとって、安心できる場であるようでした。
創作自体が、心の浄化ができる場ですから、私もそれを守ってあげたいという気持ちが強かったのです。
しばらくすると、全国各地から、これまで遠方だから通えなかった子たちの参加が増え始めました。
「”おとなのための6つのやくそく“を知らなかったこともあり、親の私が手を出しすぎていて…」
「発表の仕方にあれこれ指摘をしてしまいました…」
ビギナー保護者の方からのメッセージで、改めて考えることがありました。

「なんでそんなやり方をしているの?」
「ここはやりすぎじゃない?」
…家庭の中で、親子の分離がないということはつまり、大人から、深く考えずに、大人である自分の価値観を子どもに押し付ける言葉が、簡単に浴びせられるという危険をはらんでもいました。
「これは僕の作品だから口を出さないで」と言える子はいいのですが、「どうすればいいの?」と、自ら考えることをやめ、大人に決断をゆだね始める子もいます。
そうなるともはや、作品は自分のものではなくなってしまう。その子の人生を奪っているのは、口出しする大人なのかもしれません。

いつでも創作活動が生活の中にあった私は、なぜそうだったのか、今ならわかります。
「みんなと一緒」や、「大人にとってのいい子」であることを求められることに疑問を感じていたあの頃、創作をしているときは、誰かの気に入る何かではない自分の「好き」を追求できて、自分らしく生きられる時間だったのです。
自分が何に価値を見出すのか、心動かされるのか、それらはすべて、その人の中にしかない感性です。
それが確かであれば、人生のどの局面でも、自分の中に答えを見出すことができるはずです。
何をやりたいのかわかっているかどうかは、その人の人生の幸福感を決める羅針盤。
子どもたちが、誰のものでもない自分の人生を自分で決めていく人であれますように。
 
井岡 由実(Rin)


著者|井岡由実(RIN)

井岡由実 国内外での創作・音楽活動や展示を続けながら、 「芸術を通した感性の育成」をテーマに「ARTのとびら」を主宰。教育×ARTの交わるところを世の中に発信し続けている。著書に『こころと頭を同時に伸ばすAI時代の子育て』 (実務教育出版)ほか。

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