【花まるサマースクール2024】スティック/小林駿平🌻サムライの国

⚔サムライの国⚔（コテージ軍）

サマースクールに向けてのご準備、そして子どもたちの背中を押して送り出してくださったこと、本当にありがとうございました。この3日間を過ごすことができたのは、そこに至るまでのみなさまのお子さまを想う気持ちやご準備があったからこそだと思います。


サムライ合戦に魚つかみ、川遊び、キャンプファイヤーに花火…。どのプログラムも全力で楽しんだ子どもたち。３日間で仲間との距離も縮まり、一生ものの絆が生まれたのではないかと思っています。


行きのバスから「絶対に天下統一をしたい」とサムライ合戦に対する熱い想いを伝え合っていた子どもたち。すぐに作戦軍議が始まりました。子どもたちから出てきた大切にしたいことは、「全力でやりきること」「バラバラにならないこと」「言葉とこころを大切にすること」「どんなときも一歩前へ」でした。


その言葉通り、お互いを高め合い、励まし合い、たたえ合う、子どもたちのやさしさがにじみ出る３日間だったように感じます。


1日目の合戦は、来たるべき2日目の天下統一戦に向けたアイテム獲得戦。この日はコテージ軍の「良さ」がはっきりと出る合戦が続きました。最後まで大将の風船が割られることはなく、すべての合戦で生き残り、見事５つのアイテムを獲得しました。


子どもたちはお互いに声をかけ合います。「ここは、ぼくが守る」「そっちに行ったよ！」「よし、攻めていこう！」相手が向かってくる恐怖に負けず一歩前に踏み出す姿がそこにはありました。


１日目にして、子どもたちのなかにはすでに強い仲間意識が芽生えていました。風船が割れてしまった子に対して「まだ次があるよ！」「こうやるといいんだよ」「そのぶんぼくががんばるね」と声をかけ、自分勝手にバラバラに動く子はいません。早くも誰かを想える優しいサムライになっていったように感じました。


子どもたちも、リーダーたちも、「明日はいける、天下統一できる」と心から思えていました。


迎えた2日目の天下統一戦。1日目に獲得したアイテムを駆使して、相手に立ち向かっていきます。勝負は一進一退の攻防。私たちも本気ですが、当然相手も本気です。どこかの軍がポイントをとればまたほかの軍もポイントをとる。手に汗握る展開は終始続きます。子どもたちも集中力を切らさず、毎合戦気持ちを入れて戦っていました。


子ども大将戦では、自分が大将になりたいと思う気持ちをぐっと抑えて、仲間を信じて送り出す子の姿もありました。どうしても、仲間のために僕が大将になって引っ張りたいと強い意志を伝えてくれる子もいました。一人ひとりが厳しい状況でも決して下を向かず、どうすれば勝てるかを前向きに考え、それを勇気とともに行動に起こせたこと。ここに、この夏の成長がぎゅっと詰まっているような気がしました。


最後の戦い。トップまではわずかな差。相手軍の大将の風船を割れば十分逆転できる状況でした。ただ勝負の世界は甘いものではありません。徐々に追い詰められ、厳しい戦いになりました。追い詰められたなかで出てきたのは、みんなで動くこと、一歩前に踏み出すこと。最初にみんなで決めたコテージ軍の想いでした。


それでも、あと一歩届かず、天下統一は果たせませんでした。大粒の涙を流す子どもたち。このきれいな涙はきっとこれからの子どもたちの人生に彩りをくわえてくれるでしょう。 大将である私も、下を向きしばらく立ち上がれませんでした。そんなとき、立たせてくれたのは子どもたちでした。「スティックのおかげでここまでできたんじゃん」「ぼくたち、強かったよね」「また次もこのメンバーで頑張ろうよ」「あ～楽しかった！」。本当は自分が一番悔しいはずなのに、それでも大将を、仲間を思いやれる子どもたちの心に言葉が出ませんでした。


ときには自分の気持ちを抑えて仲間のために刀を振る。うしろに下がりたい気持ちをぐっと我慢し、勇気をもって一歩前に出る。そんな強くしなやかな心が育まれた3日間だったと思っています。


さまざまな経験を通じて一回りも二回りも成長した子どもたち。またどこかでお会いできることを楽しみにしております。


改めまして、サマースクールにご参加くださりありがとうございました。


2024年 夏
花まる学習会　スティック/小林駿平

花まる学習会（オンラインブロック ブロック長/埼玉ブロック）