【26】テストの感想から

 「ちょっとむずかしいもんだいもあったけど、たのしいです。もっとできそうです。またつぎもたのしみです。つぎは、いつなのかな?」
 6月に小学生クラスで行われたHIT(ひっと:学習の習熟度を測るテスト)に、ある2年生の子が書いた感想のコメントです。学習そのものを楽しめている様子が伝わってくる素敵なコメントで、答案を丸付けしながら思わず笑顔になりました。

 テストの際、問題が早く終わり、見直しもできた子から、「空いているところに感想を書いていいよ」と伝えています。テストで解いたときの心境が分かるので、その子の習熟度を見るうえでも参考になりますし、何より、テストに挑戦したあとはいろんな思いがあふれているタイミングだと思うので、受け止めてあげたい。そんな気持ちで、子どもたちにコメントを書くことを促しています。

 「テスト」と聞くと、誰しも不安な気分になるものです。そこで、少しでもリラックスして取り組んでもらうために、始める前に子どもたちにこう伝えました。「ここまで分かる!というところまででオッケー!考えてもわからないところは、飛ばしてそのままでオッケー!」それを聞いた子たちから「そうなの?!」とびっくりする声もありました。全部答えをうめなきゃ、正解しなきゃ!という緊張を解きほぐし、本来の力が出せるように。そう思いながら伝えました。すると、これだけ前向きな言葉や、正直に「ここは自信がない」という言葉が答案用紙に見られました。テストの中でも、肩に力を入れ過ぎず、伸び伸びとした様子が伝わり嬉しく思いました。

 他にも「このもんだいは あっているじしんが とてもとてもあります!」「このかんじはしりませんでした…」「ぜったいにあっていてほしいです!みなおしもちゃんとしました!」などなど、素直なコメントがたくさんでした。

 「私はもともとさんすうが苦手で、学校のじゅぎょうもいやだったけれど、このプリントの問題はかんたんだった。これからさんすうがすきになるとおもいます。サボテンすき!」というコメントも。サボテン(計算教材)が好き、という気持ちは本当に素晴らしいです。きっと普段から毎日コツコツがんばることで、昨日の自分よりも伸びたと実感できているのでしょう。

 なかには、「花まる漢字テスト、絶対合格してるはず!」と思っていた子にも残念な結果が待っているときもあります。「うちの子、自信過剰すぎでしょう…」と苦笑いすることもきっとおありではないかと思います。でもそんな自信過剰さは、成長するにつれて客観的に自分を見る目が育っていくので、いずれは薄れていってしまうことがほとんどです。ある意味、いろんなことに挑戦してどんどん吸収していくために、成長段階の子どもたちが持っている特別な特性なのではないでしょうか。テストはあくまで通過点ですので、ここから見えたお子さまの今後伸ばせるポイントを見据えて、指導してまいります。

 もうすぐ夏休みですね。今年も子どもたちにとって、実りある休暇になるように願っております。サマースクールに参加される方は、勉強だけでなく外遊びも思い切り満喫できる、成長の夏になりますように。暑さも厳しくなってきましたので、どうか保護者の皆さまもお体ご自愛ください。

 

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