新型コロナウイルスの拡大によって、世界は変わりました。
1か月先のことも予測できない状況が続くなかで、オンライン化が進み、可能性が広がったことも多くあります。
教育の現場でも、オンライン化によって予想していなかった副次的な効果が生まれた例があります。
スクールFCのシグマTECHでは、2019年の開設当初からオンライン授業を活用しており、その一環としてコミニケーションアプリを導入しています。
当初はカリキュラムの一部だったオンライン授業ですが、このコロナ禍でシグマTECHの授業もオンラインのみになりました。
その結果、コミュニケーションアプリを通じた子どもたち同士の「知の共有」が活発になったのです。
ある日の社会の授業でのこと。
九州地方について学んでいるとき、授業の内容を整理して書くことに加え、記憶に残すためでしょう、主体的に特産品の絵をノートに書いている子がいました。
それをクラスで共有したところ、ほかの子どもたちにとっていい刺激になったようで、各々が張り切って工夫を始めました。
旅行に行ったときの写真を貼りつけて現地の様子を紹介してくれる子、インターネットや辞典で調べたものを残す子、自分なりの一言コメントを加える子も。
もちろん、対面の教室でこういうことはよく起こるのですが、「知の共有はリアルな集団授業のよさの一つ」という概念は、彼らの行動によって見事に覆されました。
オンラインだからこその共有の仕方、知識の深め方を、子どもたちは自然な流れで習得し、実践していたのです。
つながることができれば、子どもたちはどんな環境であっても、共有する喜び、深めてつなげていくおもしろさを感じ、学びにできる。
そしてこの「知の共有」は、アプリ上に残り、時間や空間を越えて永続的に子どもたちの学びに還元されます。
また、オンラインでしかつながれない状況というのは、どうしても家庭という閉じた空間になりがちですが、オンラインを活用すれば、他者と頻繁に、そして深くつながることが可能になります。
シグマTECHでは、オンラインだからこそ時間や場所に縛られない気軽なコミュニケーションを目指しました。
使用しているアプリは24時間いつでもメッセージの送信が可能で、授業に関わる全スタッフが受信、共有したうえで、最適な担当者から返信をします。
「宿題などのやり取りだけでなく、子どもの変化や相談などに親身に対応してもらえることで、安心できます」と、保護者のみなさまの安心につながっているのは、我々としても嬉しい限りです。
ご家庭での子どもたちの様子を知ることで、よりよい指導につなげることができます。
オンライン時代だからこそ、子どもを指導する我々にとっても親御さんとのコミュニケーションが欠かせないものとなっているのです。
つながるかたちが変わっても、つながる価値は変わらずそこにあり続ける。
時代が変わっても、社会が変わっても、それだけは不変のものと言えるでしょう。
スクールFC 伊藤 潤