【花まるサマースクール2023】ごんべえ/野澤直紀🌻サムライの国

⚔サムライの国⚔（タシロ軍）

保護者のみなさま、3日間本当にありがとうございました。サマースクールはこの3日間だけではなく、参加するか否かを決めるところから始まっています。ご家庭ではさまざまな葛藤があったかもしれません。背中を押してくださったこと、入念な荷物の準備やお忙しいなかでの送迎、ここには書ききれないほどのサポートに感謝申し上げます。


始めて会った仲間たちと一緒に知らない場所で立ち向かうことになった、サムライの国。行きのバスでは、名前覚えゲームやリーダーからのインタビュータイムなどのレクリエーションをたくさん行いました。それらを通して子どもたちはあっという間に仲良しに。子どもたち同士が仲良くなるために時間は必要ありません。宿に到着する直前におこなった軍議では、長時間移動で疲れているはずの子どもたちの目が爛々と輝いていたのを覚えています。私の考える作戦をうんうんと頷きながら聞くその姿は、刀を持つ前からまさにサムライでした。


初日のアイテム戦では、戦いを優位に進めることができました。1戦目にはなんと、相手『えびすや軍』の大将の風船を撃破。それだけではなく、攻撃隊は攻撃隊の、守備隊は守備隊の役割を全うすることで4軍中最多の6つのアイテムをゲットしました。アイテム戦を終えると「もっとこうすれば良かったよね」「油断大敵！」「明日、アイテムをどう使う？」「明日は絶対に天下統一したい！」などと、良い結果に慢心することなく、各々が熱い気持ちで明日の決戦に向けて気持ちを切り替えていたことも印象的でした。


1日目の夜は、隙間時間を使って部屋で軍議をしていた班もありました。そこでは紙に鉛筆で絵を描いたり、作戦を必死にリーダーに伝えていたりと、合戦場以外でもサムライ合戦のことを考え続ける子どもたち。目の前のことに本気になれること、楽しむだけではなく勝ちに拘るその姿勢に、私たちもより気持ちが入りました。


迎えた天下統一戦。タシロ軍はあと1歩届かず結果は1ポイント差で2位でした。負けを知った瞬間、崩れる子どもたち。涙を流す子も少なくはありませんでした。全力で戦ったからこそ、ここまで悔しかったのでしょう。しかし、負けたことがすべてではありません。「負けちゃったけれど、優しさを知ったよ」と言っていた子がいました。合戦中にはさまざまなドラマがあります。正々堂々と戦うその姿に感化された子もたくさんいました。そして、子どもたちが口を揃えて言っていたのは「また来たい。次は勝ちたい」でした。


親元を離れて生活していくなかで、子どもたちはたくさんの成長をしました。 最終日には食事の片付けが綺麗になったこと。布団敷きで助け合うことの大切を知ったこと。魚つかみで「魚が怖い」と言っていた子が勇気を出して両手で掴むことができたこと。 私が常に伝えていたのは、「誰かのために行動できるようになってほしい」ということでした。この3日間で子どもたちは、相手のことを考えて、ときには自分を犠牲にできる強いサムライ、いや、強くて優しいサムライになりました。まだまだ未完成な部分はあるかもしれません。しかし、ここで経験したことは子どもたちの心の中に残っていることでしょうこの経験がここで終わることなく、子どもたちの価値観の一つになれば幸いです。


出会えたことに感謝いたします。 子どもたちのこれからを心から応援しております。3日間、本当にありがとうございました。



2023年 夏
花まる学習会　ごんべえ／野澤直紀

花まる学習会（埼玉ブロック）