働くお母さんの子育て│「一緒にいてあげたい気持ち」と戦う母たち


「私が働いているせいで…」と自分を責めていませんか?

仕事で保育園のお迎えが遅くなったとき、

「も~、遅かったよ!」

と、ふくれっ面をしながらも、ギューっと抱きついてきたわが子。

「最後の一人になった保育室で、どんなに心細かっただろう」と思うと胸がしめつけられますね。

それでも、お母さんは働くことに罪悪感を抱く必要はありません。

その理由をご紹介します。


わが子に寂しい思いをさせたことを悔いる母親

「母」という生き物は、働いてばっかりで子どもに寂しい思いをさせたことを、いつまでも罪深く忘れない生きものなんだなぁとつくづく思います。

これは、どのお母さんに聞いても同じです。

あるソバ屋のおかみさんの話をします。

そのお店は土曜日・日曜日がかきいれどきなので、子どもに構っていられなかったりするわけです。

夫婦で一生懸命働いているから、そういう日は子どもはひとりで過ごすことが多いのです。

ある日曜日に、お昼ご飯を作ったものの、あまりに忙しくて一緒に食べられず、つい「ちょっと待っていて」と声をかけました。

すると、仕事の手を止めて戻るまでの1時間、冷めたご飯の前でずっと食べずに待っていたそうです。

「その姿が本当に不憫だった・・・」と、思い出話をしてくれました。

もう10年以上前の事柄を、臨場感たっぷりに話してくれるのです。

それだけ母親というのは、子どもに寂しい思いをさせてしまったことは悔いる生き物。

では、その子がいま、どうなっているか。

一時、中学や高校で地元のワルになったけれど、社会に出てからはメシが食えています。

自営業の両親が一生懸命働いてる姿を見ているから、家に引きこもるという選択肢すらないのです。


子どもの問題行動はお母さんが働いているせい?

働くお母さんによく起こりがちなこととして、「やっぱり一緒にいてあげたいなあ」という気持ちが透けて見えることがあります。

その裏返しで、他人からのひと言で落ち込むことも。

アンケートに寄せられた言葉をご紹介すると・・・。

小学校に入って、「○○くんのママはいつも家にいるんだって」子どもに言われてズキン。

「お母さんが働いていて、さみしいわね」と近所の人から言われた。

「働いているから、子どもがしつけられていなくて、学校で○○しちゃうんじゃないの」と友だち(専業主婦)に言われた。

子どもの問題行動とお母さんが外で働くことは必ずしもイコールであるとは限りません。

しかし、働くお母さんは、子どもが問題行動を起こしたときに「私が働いているからかしら・・・」と、思い込んでしまいがちです。

しつけがなっていない→「私が働いているからかしら・・・」

子どもに忘れ物が多い→「私が働いているからかしら・・・」

受験に失敗→「私が働いているからかしら・・・」

以前私が預かった不登校&リストカットをくり返す子どものお母さんも、「やっぱり自分が働いていたからでしょうか」と泣いていましたが、私から言わせると、まったくもって論理的ではない結論です。

日本ならではの「心的風景」や「良妻賢母幻想」「待つ&耐える母幻想」にとらわれすぎでしょう。

働くお母さんたちには「一緒にいられないこと」によって無駄に自分を責めないでほしいと強く思います。

実は子どもというのは、「放っておかれる時間で育っている」生き物なのです。

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「放っておかれる時間」が子どもを育てる

愛情を毎日短く濃く伝えていれば、子どもは放っておかれた時間で将来の自立に必要な芽を自分で育てることができます。

ある大家族のIさんは、こんなことを教えてくれました。

「子どもが1人だと、親の目に入りすぎ。

子どもが2人だと両手でひとりずつぎゅっと握る。

3人だと両手に余ってしまうから、3人目の子どもはエプロンの後ろを握っている。

実はそれくらいがちょうどよいバランスで、子どもは見えないところで育つのだ」

また、「子育ては、自分を見失うほど一生懸命やる必要はない」とも言っていました。

確かに、自分を見失うほどわが身を責めても、いいことはひとつもありません。



ぜひ、お母さんたちは働く姿をわが子に見せていることを誇りに思ってください。

わが子は親を通して社会を学んでいるのです。

大きくなったらこんな仕事をしたい!とわが子が夢を見られるように、今日もお仕事頑張りましょう!



【おすすめ書籍】

『働くお母さんの子どもを伸ばす育て方』

高濱 正伸(たかはま まさのぶ)

高濱 正伸(たかはま まさのぶ)

花まる学習会代表・NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長。1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。1995年には、小学校4年生から中学3年生を対象とした進学塾「スクールFC」を設立。チラシなし、口コミだけで、母親たちが場所探しから会員集めまでしてくれる形で広がり、当初20名だった会員数は、23年目で20000人を超す。また、同会が主催する野外体験企画であるサマースクールや雪国スクールは大変好評で、延べ50000人を引率した実績がある。 各地で精力的に行っている、保護者などを対象にした講演会の参加者は年間30000人を超え、毎回キャンセル待ちが出るほど盛況。なかには“追っかけママ”もいるほどの人気ぶり。

花まるグループとは?

花まるグループは、子どもたちを「メシが食える大人」そして「魅力的な人」に育てる学習塾です。子どもの本質を見据えた指導を行っています。

花まる学習会

年中~小学6年生の学習塾。数理的思考力、読解・作文を中心とした国語力野外体験を三本柱として、子どもの本質を見据えた指導を行っています。

花まる野外体験

花まるグル―プの野外体験は、バカンスではなく、ツアーでもない、生きる力を育むスクール。親元を離れ、初めて出会う子どもたちと大自然のなかで遊びつくします。

スクールFC

花まるグループの進学塾部門。思考力・学習法・意識改革の三本柱で、「自学ができる子」を育てます。やらされではない、子どもたちの幸せな受験を全力で応援します。

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