【Rinコラム】『より立派に』2018年11月
逆上がり・漢字を覚える・計算の力・ピアノや歌、水泳やサッカーの練習…私たちが、何かの力を獲得しようとしたときに、「正しい練習の仕方」というものがあるとしたら、それはなんでしょう?
楽しんでやる?
レディネスが整うのを待つ?
ほめて伸ばす?
まずはマナーから?
正しい練習の仕方を、ひとつあげるならば、「できることを、確実にすること」でしょう。
何かができるようになるためには、より多くの訓練、つまり繰り返す、ということは、とても大切です。
しかし、ただたくさんやればいい、ということではありません。
できることを繰り返すこと。
上手なやり方を、たくさんするということです。
失敗を繰り返すのは、実は失敗をする練習をしているのと同じこと。
肝心な時に、失敗をした体験が出てきます。
1ランク落として練習、を繰り返すと、失敗の体験よりも成功体験の方が多いので、本番で150パーセントのことをやらせても大丈夫。
失敗をしないのです。
跳び箱だったら、四段を飛べたら何度も四段を跳ぶ。
もっと上手に。
よりへっちゃらに。
さらに美しく。
「上手さ、立派さ」を追求していく。
どんどん得意になっていく。
そうするとあるところで、六段を跳ぶ力がついてくる。
そのときに、跳ぶのです。
歌も同じです。
上手に、楽しく。
心を込めて、正しい音程で。
「立派さ」を求める方が、早く力を伸ばすことにつながるのです。
人は、一瞬にして前進します。
さっきわからなかったことが、今分かるようになるもの。
だからこそ、「より立派に」を意識してみてください。
(「できたね、ハイじゃあ次はこれできる?」というようなわんこそば練習ではなく。)
「すごいね、さっきよりもうまく書けているよ」「昨日よりも立派にできるね」そうやって声をかけてあげることで、いつも自分が過去よりも成長していると感じられ、他人との比較ではない、自分の中からあふれ出る自信を、内面に築いていくことができるでしょう。
脳は、楽しいと思いながら繰り返したことだけが、伸びていくものなのです。
井岡 由実(Rin)
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【ARTのとびら とは?】
2001年、花まる学習会がまだ小さな塾だったころ、教室で教える傍ら、児童精神科医の故稲垣卓先生とともに、不登校の子どもたちとその家族を支援する相談室Saliを立ち上げました。
家族でのカウンセリングのほか、絵画療法、遊戯療法、箱庭などを用いて子どもたちとセッションを続けます。
ただ聴くだけでなく、一緒に何かを作りながら、内なる対話を通して、子どもたちは疑似的に心の葛藤を体現していきました。描いたり創ったりすることが、彼らの内面を表現することを手助けし、確実に何かを浄化し続けているのだと気がついたのは、このときです。
「Atelier for KIDs」は、そんな想いから出発した、創作を通して自分を表現する、子どもたちに計り知れないパワーを与える創作ワークショップです。
RELLO 由実(Rin)
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