【Rinコラム】『よかったねで終える』 2018年6月


わが子が何か失敗をしたときに、あなたはどのように対処するでしょうか。

たとえばおもらしをしてしまったとき、忘れ物をしてしまったとき、転んで膝小僧をすりむいてしまったとき。

「駄目じゃないの」

「何回言ったら分かるの」

「本当に困った子ね」

…などとマイナス思考の言葉を言っていませんか。

何気ない大人の言葉が子どもの心に突き刺さり、「自分はダメな、困った子」なんだ、という間違ったレッテルを自分で自分に貼ってしまいます。


子どもが失敗をしてしまったとき、周りの大人は平然とした表情で対処しましょう。

そしてすべての処理が終わった時に「よかったね」と言ってあげてください。


年中さんクラスの子どもたちですと、ときどき教室でおもらしをすることもあります。

夢中になって授業を受けていると、「トイレにいきたい」ことを忘れてしまうこともあるのです。

先生がおもらしの後始末をしてあげてから、再び教室に送り出すとき、必ず「よかったね」ということばをかけます。

「残りの授業も受けられるね、よかったね」と。

小学生でも、急に気分が悪くなって授業中もどしてしまう子もいます。

そんなときも後始末が終わったら必ず「(大変だったけど)もうすっきりしたね、よかったね」と伝えるのです。


なにか事件が起こったとき、本人も意気消沈している場合がほとんどです。

「つらかったね、びっくりしたね」と彼らの気持ちを受容・共感して、気持ちを代弁してあげることもとても大事ですが、どんなに悲惨な状況でも、最後に必ず「よかったね」と付け加えてあげてください。

そうすると子どもたちは魔法がかかったかのように「うん」と言います。

「あぁよかった」という気持ちから、自然に「ありがとう」ということばが出てくることでしょう。

つらかったはずのことが、最後は「よかった」で終われる。

そうすると自然に、何かが起こっても、その出来事の中から、いい面を探そうとする人になります。

どんなにつらい状況でも、そのことに隠された意味を見出し、感謝ができる大人になるのです。 
 

井岡 由実(Rin)



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【ARTのとびら とは?】

2001年、花まる学習会がまだ小さな塾だったころ、教室で教える傍ら、児童精神科医の故稲垣卓先生とともに、不登校の子どもたちとその家族を支援する相談室Saliを立ち上げました。

家族でのカウンセリングのほか、絵画療法、遊戯療法、箱庭などを用いて子どもたちとセッションを続けます。

ただ聴くだけでなく、一緒に何かを作りながら、内なる対話を通して、子どもたちは疑似的に心の葛藤を体現していきました。描いたり創ったりすることが、彼らの内面を表現することを手助けし、確実に何かを浄化し続けているのだと気がついたのは、このときです。

「Atelier for KIDs」は、そんな想いから出発した、創作を通して自分を表現する、子どもたちに計り知れないパワーを与える創作ワークショップです。

RELLO 由実(Rin)

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Rin 井岡 由実(いおか ゆみ)

Rin 井岡 由実(いおか ゆみ)

2004年、花まる学習会取締役に就任。 2007年文京区根津にHanamaru Groupの芸術メセナとしてGallery OkarinaBを立ち上げ、同時に本格的な芸術活動をスタートする。 ロンドン、ベルリン、シンガポールなど海外で展示や、親子のための音楽(KARINBA)、語りのライブパフォーマンス(Rin-Bun)など、幼児教育とアートの交わるところを世の中に提示し続けている。 2009年~月1回子どもたちのための創作ワークショップ「Atelier for KIDs」をGallery OkarinaBにて開催。ワークショップ教室に参加する子どもたちや保護者から「りん先生」として親しまれている。 著書に「国語なぞぺ〜」(草思社) 高濱正伸/共著・他がある。 【ARTのとびら公式サイト】http://www.hanamarugroup.jp/art-edu/news.php

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