書く力を伸ばす│低学年の作文どこをほめるべき?ほめポイント解説【1】


「上手でしょ!」「うん・・・。」わが子が誇らしげに見せてくれた作文。

ほめてあげなきゃ!と気合をいれたものの、ところどころ意味がわからないし、正直ほめるところがない・・・。

今回は低学年の作文のほめポイントと具体的なほめ方例をご紹介します。


ほめポイント1:その年齢ならではの十全さ

それでは実際に、小学1年生の女の子が書いた作文を読んでみてください。

『うれしいまめ』 

 まめができました。そのときうれしくてたまりませんでした。でも、あかりちゃんは、まめがぜんぜんできてないのにうんていができるのです。「なんでだろう」とおもいました。あかりちゃんに「すごいね」といいました。わたしは、まめが4こあるのに、みんなは2こぐらいでした。みんなまめがつぶれててわたしだけつぶれていませんでした。とてもかなしかったけど、1こだけつぶれていました。

 つぎのひにやったら、4こつぶれていました。うれしかったけど、いたかったです。そのとき、かわがぺろりとむけました。みんなに 「すごいね」といわれてうれしかったけど、すごくいたくてたまりませんでした。わたしは、れんしゅうして5こできて、まんなかはへんなまめができていました。ちがでてるようなかんじでした。みんな「だいじょうぶ」といってくれました。わたしは「だいじょうぶ」といって「ふ~」といっていました。まめがぜんぶつぶれてていたかったけどがんばりました。ちいさいまめだったけど、うんていをやりつづけました。ちいさいまめがつぶれておおきいまめよりもいたかったから、いっかいねて、でもやりたくてたまりませんでした。みんな「やれば」っていったから、わたしは「やる」といったけど、いたかったから「やらない」といいました。おおきいまめはがまんできたけど、ちいさいまめはがまんできませんでした。まめが5こできてうれしかったです。

いかがでしょうか。

この1年生の女の子が、十全たる幼児期を過ごせていることがわかりますよね。

幼児期を幼児の特性どおりに過ごしているということは、とても大事なこと。

彼らは必然性があってその特性をもっているのですから。

たとえば、この「まめのできた数、つぶれた数」というのは、大人にはちょっとすぐには理解できない価値観です。

大小を気にする、順番を気にするのと同じように、まめの数を気にするのです。

なぜか?と言われても、そこに理由はありません。

ただ思うのは、幼児は幼児だけの世界で、社会性というものを養っているのだ、ということです。

大人と同じような価値体系を持っていたら、大人も入ってきてしまう。

でも、子どもたちは、子どもたちだけでミニ社会を作っているのです。

「みんなはまめがあんなにつぶれている」と横目で見て、いよいよ自分のまめがつぶれたら「だいじょうぶ?」と心配され強がり、予期せぬ「小さいまめ」の痛さに顔をしかめる。やらない、という結論をくだす。

・・・こういうことをすべて、子ども社会のなかで、経験しているのですね。

その時期その時期に必要なことを経験しているというのは、言い換えれば、健全に育っているということ。

これが思春期なら、思春期特有の人間関係が描かれていれば魅力的でしょう。ありのままを活写した文章は、おもしろいのです。


【ほめ方例】

「この作文はどんどん読みたくなるなぁ」「よく思い出して書けているね」など読んでいてあなたが感じたことをそのまま伝えてあげてください。


ほめポイント2:言葉のリズムがいい

次の作文は、ぜひ音読してみてください。

カタコトカタコト 1年男子

 僕は、赤ちゃんのときに山に行って、カタコトカタコトとなって、どこかへ行ってしまうものを見ました。

 それはきゅうな山ではたらいています。そのきゅうな山をのぼるためにあります。ケーブルカーではありません。カタコトカタコト、

「おっときたようだ。のりおくれないようにまってなきゃ。」

 トォウィー。ドアがあいて入りこみました。

「よっこらせ。」

 まどからみるけしきはとかいにたいしてまるで大ちがいでした。

カタコトカタコト、シュウー、キキーガッタン。トォウィー。ドアから出ても見るけしきは、ナニコレちんひゃっけい。もういっかいいきたいと思っています。(後略)

どうでしょうか。

口に出して読んでいて楽しくなる、リズムの良さがありますよね。

これは書き手の勢いがそのまま表れています。

勢いというのは、乱暴に書いて出るものではなく、楽しんで書くと生まれるものです。

私たち大人は書いた文章をあたりまえに推敲しますが、あまり手を加えすぎるとこのリズムが削がれてしまうことがあります。

実は、手書きの文字や行替えにも勢いというのは表れるのです。

子どもたちの書いた作文をぱっと見ただけで、いい作文、躍動して書いた作文がどうかが大体わかります。

特に手書きのものは、書と同じで、その瞬間の息遣いまでのが映し出されるようなところがあります。


【ほめ方例】

「読んでいて楽しい!リズムがいいからだね」「リズムがいいと読みたくなっちゃうね」


子どもの価値観に寄りそったほめ言葉を言ってあげると、「わかってくれた!」とうれしくなるはずですよ。また次も何か楽しい出来事があったら作文でお母さんに伝えたい!と意欲が高まるように、ぜひ、ほめポイントをお試しください。



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竹谷 和(たけたに かず)

竹谷 和(たけたに かず)

教材開発部所属。年中から中学3年生までの幅広い学年に対しての教材開発をはじめ、各種出版にも携わる。子ども一人ひとりにあった指導法をとことん考え抜き、心に響く強い言葉を持っている。主な著書に『子どもの「書く力」は家庭で伸ばせる』(実務教育出版)がある。

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