高学年│楽器の練習をさぼるようになったら・・・親が取るべき対応策4つ

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「ちゃんと練習してるの?」

「やってるよ!」(バタンッ)

勢いよく閉められた扉の向こうから、かすかに聴こえるバイオリンの音色・・・。

子どもが高学年になり、自室にこもって楽器の練習をするようになると、様子がわからず親は不安ですよね。

そこで今回は高学年の子どもの楽器の練習を見守る、適度な距離と適切な仕組み4つをご紹介します。


反抗期の子ども特有の悩み「欺き」

花まるメソッドでは、子育ては、おおよそ10歳までの「赤い箱(おたまじゃくしの時代)」とそれ以降の「青い箱(かえるの時代)」の二つの箱で対応を変えるとうまくいくと考えています。

ですから、幼児には「赤い箱」の特性に合わせた授業を、小学校の高学年以降は「青い箱」の特性に合わせた授業を展開していきます(個人差はあるので、最終的には、ひとりひとりの特性を見極めて、ということになります)。

「青い箱」の時期の子どもの音楽の練習を親が見る時に困ることのひとつは、子どもが練習したかしていないかがわからない、ということ。

計算や漢字のようなノートがあるわけではないので、成果がはっきり見えないのです。

しかも「青い箱」の時期は、親の介入を嫌う時期。「練習やったの?」「やった!」という言葉を信じて、中学三年生までずっと教室に通わせていて、弾ける曲は増えたけれど、技術は身についていない、といった状態の子(家庭)をこれまで何人も見てきました。

困ったことに、練習をしたかどうかは、ごまかそうと思えばいくらでもごまかせてしまうのです。

 

欺きは成長の証ととらえる

私にも、練習をごまかしていた時期がありました。

防音の部屋で練習をしていたので、そこに一定の時間いれば「練習した」ということにできたのです。

CDを大音量で流してそれに合わせて弾いたり、ピッチカート(弓を使わずに弦を弾くこと)だけで手抜き練習をしたり。

とにかく時間が過ぎることだけを目的として、あの手この手を使って練習をごまかしていたのです。

こういった場合に「嘘をつかないようにさせる」「親に対してごまかさないようにさせる」という考え方もあるでしょうが、一方ではこういった欺きも成長の証、と捉えることもできます。

何でもかんでも親の言いなりになっているようでは、それはそれで心配です。

欺くことも成長の証・・・しかし、練習はしなくてはいけないものですから、それには、“仕組み”で対応していきましょう。


欺きに対応する4つの仕組み

次の4つは「見えない」楽器の練習の成果を「見える」ようにするため仕組みです。

「青い箱」の特性―お母さんに口出しされたくないが、成長は認めてほしい時期にも対応しています。ぜひお試しください!


①お母さんの気配を感じる距離で練習する

花まる学習会では、宿題をするのは子ども部屋ではなくリビングがおすすめと伝えています。料理や掃除をするお母さんの背中が見えるくらいの適度な距離にいることで、子どもは学習に集中することができます。音楽の練習もそれと同じ。お母さんとの距離感が大切です。

②練習ノートや、回数のチェックリストを作る

③一週間の目標は、スモールステップで細かく「ここまではできるようにする」という設定をする

④「ここだけはお母さんがチェックする」というところを作る

例えば、技術的な部分だと「スピッカート(弓をバウンドさせる方法)で弾けているかを見る」、曲の具体的な部分だと「このフレーズを、正確なリズムで弾けているか」など、できているか、いないかについて簡単にお母さんが判断できる部分。

そうすると、お母さんが「本当に10回練習したの!?」などと叱ることなく、「残念、できていないね。できるまで練習してね」と淡々と接することができる。

お母さんが毎日横について練習を見る必要もなくなります。


最後に

楽器の練習が原因で、親子関係がこじれてしまうことほど、悲しいことはありません。

ごまかし、欺きが見られたら成長の証です。これまでとは接し方を変えて、適度な距離と適切な仕組みで見守る時期がきたというサインだと捉えてください。

反抗期の子どもと正面衝突すると、お互いヒートアップして疲れてしまいます。

ルールや仕組みなどの基準があることで、冷静になり親子喧嘩を回避することができます。

仕組みを取り入れるときは、しっかり子どもに説明し、紙に書いて見えるところに貼っておくと、より定着しやすいですよ。

ぜひお試しください。




【花まるメソッド音の森とは?】


2014年に開校した「花まるメソッド音の森」。音楽理論、ソルフェージュ、海外の民謡、教会音楽、読譜、記譜、作曲を1時間半の授業の中で学ぶ年中・年長~小学生の集団授業と、独自のメソッドに基づいた一対一のレッスンの二つを柱に備えた音楽教室です。

単に音楽が好き、楽しいというだけにとどまらず、人を幸せにする感性を育て、生きるための能力を高める。つまり「人を幸せにできる大人」を育てるということが「音の森」の教育理念です。

花まる学習会の「メシが食える大人」を育てるという教育理念と同じく、社会に出た後のことを見据えています。

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【おすすめ書籍】

🌼『感性と知性を育てる音楽教育革命!』




笹森 壮大(ささもり そうた)

笹森 壮大(ささもり そうた)

1988 年東京生まれ。3 歳よりチェロを始める。 桐朋学園女子高等学校音楽科を経て桐朋学園大学音楽学部に入学し、2008年よりフランスへ留学。 チェロを臼井洋治、倉田澄子、M・ミローネの各氏に師事。 帰国後、TV、ラジオ、舞台など様々な分野で活動を広げる。 幼児から大学生までを対象にチェロやオーケストラの指導を行う中で、 音楽教育の現状に問題意識を抱く。 2014年、花まる学習会にて、音楽教育部門「音の森」を立ち上げる。 「音楽を通して人を幸せにできる人」の育成を目指す。

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