音楽教育|楽器の値段。習い始めはどのくらいのものを買えばいい?

ピアノの購入のために訪れた楽器店で、無邪気に高価なグランドピアノをおねだりする娘。

「やっぱり、始めから良い楽器で練習した方が上達するのかしら? でもお値段が…」

と悩んでしまいますよね。

今回は、初めて楽器を購入するときに何を基準に選ぶべきかご紹介します。


やっぱり気になる「お値段」

子どもが楽器を習うことが決まり、いよいよ楽器を購入するというとき、やっぱり気になるのがお値段。

親心としては

「良いものに触れさせたい」

「良い楽器を与えたい」

という気持ちもあるでしょうし

「それほど高価なものは……」

と悩まれる気持ちもあると思います。

それでも最初が肝心と、楽器の習い始めのときに高価な楽器の購入を選択する方も少なくありません。


私は、楽器というのは「出会うもの」と考えています。

その人のその段階に見合ったものしか目の前に現れないという考え方です。


楽器は買い換えるものー弦楽器の例

楽器との「出会い」について、弦楽器を例に考えてみましょう。

弦楽器は身体の成長によって、その時期に合うサイズに買い替える必要があります。

幼稚園の年中か年長クラスで弦楽器を習い始めたとすると、大人用のフルサイズになるまでに、3~4回は買い替える必要があります。

だいたいの目安で、2回目に買うのは小学校高学年、3回目は中学か高校生の時で、この時がフルサイズの4分の3サイズ。

そしてこの頃には、その子が将来プロを目指すのか、音大に行くか行かないか、といった将来の道も見えてきているでしょう。

そこで初めて「一生ものになる楽器を選ぶ」という選択肢が出てくるのです。

その前の段階までは、楽器にかかる金額にそれほどの差はありません。

さらに言うと、国際コンクールを受けるような技術の持ち主であれば、それに見合った楽器を誰かから紹介してもらえる場合もあります。

ソリストになると、財団が持っている楽器を貸与してくれるケースもあります。

つまり、自分の楽器との出会いです。

始めに技術ありきで、良い楽器と出会うことができるのです。


「良い楽器」=「自分のレベルに見合ったもの」

そもそも「良い楽器」とは「自分のレベルに見合ったもの」です。

練習をしていくうちに、自分に見合ったものを選ぶ、というのが自然です。

親心で最初から値が張る楽器を買い与えたとしても、最終的に子どもがその楽器をどう扱うかは、その子の頑張り次第。

つまり、高い楽器を与えたからといって、その子が練習を頑張る、ということには直結しないのです。


結論としては、最初から特別高い楽器を買う必要はありません。

むしろ、高い楽器を買うよりは、よっぽど音楽に対する学習観を育てるほうが大切ですし、練習に励む子になるためには効果的です。

音大生の中にも、目が飛び出るくらい高い楽器を持っているのに練習をしない…という人もいました。

宝の持ち腐れです。高い楽器を持っていても使いこなせない、楽器のポテンシャルを引き出してあげられないのです。

こういった意味でも、やはり「良い楽器には出会うもの」と言えると思います。


ピアノの選び方―アップライトピアノorグランドピアノ?

ピアノを習わせるためにピアノの購入を考えている方のよくあるお悩みが、経済的な理由や、住まいがマンションなどで、スペースと音の問題もあってグランドピアノまでは買えないというもの。

ピアノの選び方もさまざまで、「アップライトのピアノはタッチが軽すぎて練習にならない」という人もいれば「最初からグランドピアノだと指に負担がかかってしまう」という人もいます。

さらに、今はピアノも進化していて「グランドピアノだけどサイレントにできる」「アップライトだけどタッチがしっかりしている」、「電子ピアノだけど、本物と同じようなタッチがある」というものまで出てきました。

そのため、「ピアノ自体を買い替えていく」という発想が主流になってきています。

昔は、マイホームにピアノが1台、というのがある種の憧れでしたが、そうではなく、住環境の変化にも対応できるようになってきたということです。

実際に「音の森」でも、おすすめの電子ピアノがいくつかあります(ただやはり、生の楽器ではないので、響きが感じられないといったデメリットもお話しした上で、選択していただいています)。

このようにピアノに関しても、いきなり高いグランドピアノである必要はないでしょう。

段階を踏んで買う選択肢もあるということを知っておくと、購入の参考にしていただけるのでは、と思います。


「まだ始めたばっかりだし、こっちのピアノにしておこう。」

背伸びをして高価な楽器を買って

「高い楽器を買ったんだからもっと練習してよ!」

とイライラしてしまっては元も子もないですよね。

子どものレベルに見合った楽器を選びましょう。




【花まるメソッド音の森とは?】

2014年に開校した「花まるメソッド音の森」。音楽理論、ソルフェージュ、海外の民謡、教会音楽、読譜、記譜、作曲を1時間半の授業の中で学ぶ年中・年長~小学生の集団授業と、独自のメソッドに基づいた一対一のレッスンの二つを柱に備えた音楽教室です。

単に音楽が好き、楽しいというだけにとどまらず、人を幸せにする感性を育て、生きるための能力を高める。つまり「人を幸せにできる大人」を育てるということが「音の森」の教育理念です。

花まる学習会の「メシが食える大人」を育てるという教育理念と同じく、社会に出た後のことを見据えています。

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【おすすめ書籍】

🌼『感性と知性を育てる音楽教育革命!』




笹森 壮大(ささもり そうた)

笹森 壮大(ささもり そうた)

1988 年東京生まれ。3 歳よりチェロを始める。 桐朋学園女子高等学校音楽科を経て桐朋学園大学音楽学部に入学し、2008年よりフランスへ留学。 チェロを臼井洋治、倉田澄子、M・ミローネの各氏に師事。 帰国後、TV、ラジオ、舞台など様々な分野で活動を広げる。 幼児から大学生までを対象にチェロやオーケストラの指導を行う中で、 音楽教育の現状に問題意識を抱く。 2014年、花まる学習会にて、音楽教育部門「音の森」を立ち上げる。 「音楽を通して人を幸せにできる人」の育成を目指す。

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