【西郡コラム】『スラスラ、は学びの基本』 2018年2月


大きな声でテキパキと、解放と集中をくり返す花まるの音読も、小学生も高学年になると、大きな声を出し切ることを「かっこ悪い」とばかりに照れて斜に構える。

この年齢は思春期の入り口なので仕方がないと許してしまうと、この音読法の良さが伝わらない。

心身を束縛されている高学年だからこそ、大きな声でテキパキと、なりきってやることが重要だ。

スクールFCで最難関中学受験対策として国語を担当する田代先生が教える音読は、読解の基本としての音読。

1分間で400字程度をスラスラ音読する。

どんな難関校を受験するにしても、まずは「1分間400字スラスラ音読」が国語の学習の始まり。

私も学習道場・公立小学校で感じているが、実際「国語ができる」子はスラスラ音読する。

”心身の解放と集中”の音読も、”読解”の音読も、スラスラできる。


花まるの計算教材「サボテン」は、月に1冊、同じ計算方法を繰り返す。

「1日1ページ3分以内」を基本として、昨日の自分より速く解くことを目指す。

最後の方になるとスラスラできるようになり「おれ、できる!」という自己肯定感を生む。

「スラスラ」はできる実感を生む。「明日また頑張ろう」という学習意欲を高める。

書き写し教材「あさがお」も、文字を同じ大きさにして書く。

間隔を一定にして、真っ直ぐスラスラと書くことは、目と手と頭をフル回転させて集中力を鍛える。


私自身が講演会を開いているので、学習のために機会があれば人の講演を聞くようにしている。

実際、講演会をやってみればわかるのだが、衆人環視の中でスラスラ言葉を出すのは難しい。

極度の緊張は、体も頭も口も堅くする。

大きな声でテキパキと、花まるの音読と同じく心身が解放されている演者は、言葉を自由に操っている

カーネギーの「話し方入門」に、一にも練習、二にも練習、拍子抜けするほど至極当然なことが書いてあった。

場数を踏むことを含め、スラスラ数をこなすことは何事にも通じるということか。

話したい内容の量も質も豊富だから、堰を切ったようにエネルギッシュに言葉が出る。

言葉の豊富さは、専門性の造詣とセンスによる経験の収集で決まってくる。

問題意識をしっかり持っている人の話はおもしろい。


小学校低学年のころ、水泳を習っていた。

スイミングスクールなどそんなものがない時代、学校のプールで、学校の先生に。

なぜかその先生は音楽教師で女性だった。

泳ぎ方を習った記憶はなく、見様見真似でひたすらもがいて水の中を動いた。

身体が弱く、まだ肉もついていない、体幹も定まっていない。

初めて出た水泳大会では、もごもごとバタつくだけで、必死に対岸までたどりついときには、我一人、観衆に拍手で迎えられた。

それでも、もがきながらも練習を続けると、泳げる形はできてきて、時間はかかったがスラスラ(スイスイ)泳げるようなった。

もごもごからスラスラ(スイスイ)泳ぎ込むことで、無駄な力が抜けた気がする。

練習することで無駄を省く。

これがスラスラのもとだろう。

運動身体の芯はできてきたようで、水泳をやめた後は他のスポーツも好きになっていた。


「スラスラできる」は、学びの基本。

ある一定の量が必要。

毎日短時間でいい。

学習道場の課題(4年生)を、毎日30分集中すれば終わりにしようと考えている。

30分できなければ15分でいい。

音読と計算と書写を通して、読む・書く・計算する感覚を毎日集中して鍛える。

これが能力開発になる。

集中して毎日やることで、何事もスラスラできるようになる。


西郡学習道場代表 西郡文啓



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西郡文啓(にしごおり ふみひろ)

西郡文啓(にしごおり ふみひろ)

1958年生まれ。県立熊本高校卒業。高濱代表とは高校の同級生、以来、小説、絵画、映画、演劇、音楽、哲学等、あらゆるジャンルの芸術、学問を語り合ってきた仲。高濱代表が花まる学習会を設立時に参加。スクールFCの立ち上げを経て、花まるグループ内に「子ども自身が自分の学習に正面から向き合う場」として西郡学習道場を設立する。2015年度より、「地域おこし協力隊」として、武雄市の小学校に常駐。現在「官民一体型学校」として指定を受けた小学校「武雄花まる学園」にて、学校の先生とともに、小学校の中で花まるメソッドを浸透させていくことに尽力中。

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