小学生 算数の文章題|親が教えると逆効果!? 攻略に必要な6つの力

小学生 算数の文章題|親が教えてもできないのはなぜ? 攻略に必要な力6つ

算数の文章題は、小学生の子どもたちに心して指導すべき項目。母親が教えるとわが子の自信をなくさせ、決定的に勉強嫌いにしてしまう例が非常に多いのです。今回は、「文章題が大好き!」な子に育てるコツをご紹介します。


算数の文章題に親子で取り組むとケンカになる理由

よくある失敗例は、計算や漢字ができたことの延長線上で文章題をとらえ、同じようなアプローチ(単純な繰り返しの練習や叱咤激励)をすればできるはずだと考えることです。

勉強する子どもの横について「この子のため」と一生懸命教えるのだけれど、途中から感情的になってしまい、

「なんで分からないの?」「ちゃんと読んでる?」「さっきから同じことばっかり、何回言えば分かるの???」

と、どんどん叱咤がエスカレートしてしまいます。

これでは、小学生時代に育まなければならない最重要課題=「やる気」が育つどころか、根元からへし折られるようなもの。

気を抜くとつい「あんたバカじゃないの?」などとひどい言葉を放つきっかけにもなってしまいます。


算数の文章題 攻略に必要な力6つ

親が算数の文章題を教えようとするとケンカになってしまう大きな原因の一つは、漢字や計算の学習と異って格段に高度な「思考の壁を突破する能力」を必要とすること。「算数の文章題」と言っても、問題を理解して答えを導き出すには次の6つの力が必要です。


1. 基本的語彙力

語彙力は、問題の意味を理解するのに欠かせない力です。何を問われていのかを理解できなければ、立式にとりかかることができません。


2. 仕事のように集中して文章を精読する力

よく「うちの子、本はよく読むけど文章題ができないんです」や「文章題ができないのはやっぱり本を読まないからですよね」という声を聞くのですが、どちらも的はずれ。

好きな本を読むときは、そこそこの集中でストーリーをとらえて主人公になり切り、うっとりと気持ちよくなっている状態です。

これに対して文章題は、「仕事のように」「一字一句読み落とさないように集中力を高めて」読む必要があります。

本を読むことと文章題を読み取れることは、自転車に乗れることと一輪車を乗りこなせることの違いに似ています。

まったく別のカンを培わなければならないのです。


3. 文章題を読みながら場面を「映像化」する力

これは、言い換えればイメージ力です。これがないと、条件を整理したり、式を立てたりすることはできません。

ちなみにこの能力は、外遊びを中心とした遊び込みや、生活経験など、体験量の豊富さによって培われるもの。ドリルではなく、モノそのものに遊びのように触れ、実際に自分の体を動かすこと、そして五感をフルに使い、たくさんのものを見たり聞いたりすることによって育まれます。


4. 映像化した頭の中のイメージを「描く力」

場面を写真風に簡単な絵で描いてみたり、線分図や表やグラフのようなもので、抽象化して分かりやすく表現したりする力です。

文章題ができない子どもたちの非常に大きな特徴は、「手が止まる」こと。

そのときに「図を描きなさいって言ってるでしょう」と何度伝えても、効果は望めません。

描くべき図が頭に思い浮かばないから困っているのですから。


5. 問題作成者の狙いのようなもの=言いたいことを、心の目でつかむ力

これは、「ははあ、いろいろ出てる数値に惑わされずに、男の乗客数だけに注目しろってことだな」というように、要点・狙いを把握する力。問題と対話する力です。


6. 最後までやり切る力

仕事のように詰めて読みきって、図を描き、考え抜き、立式をし、計算ミスをせず、解き切る。

そこには「集中の持続」というテーマがあります。

ボーッとしたり「ま、いいやもう」とあきらめたりせず、最後まで考え抜くこと。

これを私は「意志力」と呼んでいます。

小さいころに迷路やパズルなどを主体的にのめりこんでやることは、この力の育成に貢献します。

教えようとすると「言わないで」と自力で考えようとする子は、大いに見込みありです。


文章題を解くのに必要な力をバランスよくつけるというのは、甘くないことです。

根気のいる取り組みだからこそ、カッときてついキレてしまう“親子”の間柄で取り組んでほしくない課題です。


算数の文章題を得意にするコツは「外の師匠」に頼むこと

ある会社の社宅で、わが子同士を夕方の小一時間交換して文章題を教え合ったら、どちらも見違えるほど伸びたということがありました。

文章題に取り組む子の後ろからそっと寄り添い、一緒に問題文を声に出して読んだり、イメージできていない場合は絵を描いたり…。

よその子には、冷静になれるのですね。


様々な力が問われる文章題だからこそ、その子の躓きポイントを見定め、問題文の意味を理解するための適切なサポートをする必要があります。

文章題指導は母以外の人がよい。

お父さんのほうがまだましで、できれば第三者に任せるのが最適、という話でした。

高濱 正伸(たかはま まさのぶ)

高濱 正伸(たかはま まさのぶ)

花まる学習会代表・NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長。1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。1995年には、小学校4年生から中学3年生を対象とした進学塾「スクールFC」を設立。チラシなし、口コミだけで、母親たちが場所探しから会員集めまでしてくれる形で広がり、当初20名だった会員数は、23年目で20000人を超す。また、同会が主催する野外体験企画であるサマースクールや雪国スクールは大変好評で、延べ50000人を引率した実績がある。 各地で精力的に行っている、保護者などを対象にした講演会の参加者は年間30000人を超え、毎回キャンセル待ちが出るほど盛況。なかには“追っかけママ”もいるほどの人気ぶり。

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