【西郡コラム】『できないと指摘しても何も始まらない』 2017年6月

 できない、わからないと指摘したところで何も始まらない。これが私たち道場で指導するものの信条だ。できない、わからない、では、どうすればいいか。ここから私たちの仕事が始まる。子どもたちはできない、わからないから、ここに学びに来ている。道場スタッフはそれを覚悟して子どもたちを迎える。


 わかる、できると思えていない。わかろうとしない。では、どうすれば向き合うことができるのか。そもそも人の話を聞いていないのか。わかるような話し方をしていないのか。おもしろくない教え方をしているのか。聞きたいと思えるように話すにはどうすればいいのか。聞いてはいる、しかし違う文脈で捉えているのか。書いてある、だが読めていないのか。どうすれば伝わる。この問題ができなければ、もっと基本へ戻った方がいいのではないか。教えすぎてわかったふりになっていないか。できたでしょう、は通用しない。忘れてしまっているのが前提、だから忘れないためにはどうするか。


 日々、子どもたちのその日の様子・反応・手ごたえをその瞬間瞬間に捉えて、その子に最も有効で教育的な指導・教材を考えて、授業を、教室をつくっていく。子どもたちとこの瞬間に生きている実感、ライブ感覚でいられることが私たちの働き甲斐になっている。やっていて楽しいから、子どもにも感覚でつたわる。目の前に、おもしろく楽しんでいる人がいるから付き合う。


 子どもたちに行きたい学校の合格を勝ち取らせることが、私たち学習塾の人間の最終目的。だが、日々彼らの学び・成長に立ち会っていられる。この瞬間を感じること自体に私たちの気持ちは高ぶる。ともに学んでいるから続けられる。子どもも私たちも本当に、心底学びたい、学べる場が「道場」なのだ。


西郡学習道場代表 西郡 文啓(にしごおり ふみひろ)


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西郡文啓(にしごおり ふみひろ)

西郡文啓(にしごおり ふみひろ)

1958年生まれ。県立熊本高校卒業。高濱代表とは高校の同級生、以来、小説、絵画、映画、演劇、音楽、哲学等、あらゆるジャンルの芸術、学問を語り合ってきた仲。高濱代表が花まる学習会を設立時に参加。スクールFCの立ち上げを経て、花まるグループ内に「子ども自身が自分の学習に正面から向き合う場」として西郡学習道場を設立する。2015年度より、「地域おこし協力隊」として、武雄市の小学校に常駐。現在「官民一体型学校」として指定を受けた小学校「武雄花まる学園」にて、学校の先生とともに、小学校の中で花まるメソッドを浸透させていくことに尽力中。

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