「静かにしなさい!」ではダメ!集団の小学生をも集中させる極意



小学生の子どもが「やかましい」のはいたって健全な証拠

買い物に出かける道中でも、電車やバスの中でも、どんなところでも気づけば一人でブツブツとつぶやいている。きょうだいがそろったり、友だちと合流したりしようものなら、それはもう大騒ぎ。「静かにしなさい」と言っても効き目は数秒。「何度言ったらわかるの!」と雷を落として静かになったと思ったら、驚くほどすぐに元通り。家でこんな状態なのだから、学校や塾でも集中力がなく、勉強に身が入っていないのではないか…。


このような心配から、「塾でちゃんと座って、学んでいますか?」と相談に来るお母さんがとても多いです。基本的に、「やかましい」のがこの時期の子どもたち。いたって健康な証拠であり、それが彼らの本質です。では、そんな子どもたちを何かに集中させるにはどうしたら良いのでしょうか。今回は、低学年時代の子どもたちの集中力を高めるコツをご紹介します。


小学生の子どもに「うるさい」「静かにしなさい」はNG!

基本はいつでもやかましい。しかし、おもしろいと思ったらそれに集中するのがこの時期の子どもたちです。花まる学習会の教室では、「子どもが集中していないということは、こちらのひきつける力が足りないという証」と考えています。

子どもがそもそもこの時期の子どもたちの集中力は、長くても3分ほど。ずっと静かにすること自体、子どもにとっては耐えがたい苦痛です。


集団の小学生をも集中させる極意は「あえて発散させる」

花まる学習会の教室では、子どもたちの発声したい気持ちを活かし、あえて全員で「イエーイ!」などと大声をあげます。授業を見学したお母さんたちが驚くほど大きな声でエネルギッシュに授業を展開していきますが、子どもたちが発散したところでシーンと集中する時間に切り替えます。このように、「メリハリ」をつけることが重要。作文がなかなか書けずに悩んでいる子が、「ちょっと走ってくる」と言って教室を一周して戻り、気づけば前のめりになってあっという間に作文用紙1枚を書き上げている、なんてこともしばしばです。


子どもが集中できないときは「発散する時間」をうまく組み込もう

家庭での学びやお手伝いなど、真剣に取り組むべきときに集中できない。そんな場合は、まずはいったん心を解放し、発散する時間をとると良いでしょう。体を動かすことで血液にのって脳に酸素や栄養素が行き届き、新しいアイディアが浮かびやすく、じっくり考えられるようにもなります。普段落ち着きがない子(もちろん、落ち着きがないこともこの時代の子どもたちの本質です)ほど、一度心と体をリセットすることが大切です。


小学校低学年までに取り組みたい、集中力を高めるポイント

① よーい、ドン!で動き出せばのめりこめる

集中する時間の前に、大きな声を出したり身体を動かしたりして発散したら、「じゃは次は〇〇だよ!5・4・3…」とカウントダウンをすることもおすすめ。
「よーい、ドン!」と言えば勝負を始めたくなるのが子どもたちです。うまく騒ぎたい気持ちを発散させて、集中へと導きましょう。


② 何かに没頭する経験=集中ということを知れる

話しかけても気が付かないくらい集中できるような大人たちに話を聞くと、それは小学校低学年のころから始まっている傾向が多くみられるということに気が付きました。そしてそういう人たちは、一様に秀でた能力を持っています。
反対に言えば、高学年や中学生高校生になって集中できない子は、低学年や未就学児のころに「何かに没頭する経験がさえぎられてきた」から、集中の仕方がそもそもわからないということなのです。
子どもは、知識欲の塊です。本来であればいろんなことをスポンジが水を吸い取るがごとく、目の前にあるものにセンサーを働かせて、いじったり考えたり、そのものに没頭できる生き物なのです。それを「今はそれをする時間じゃないでしょう!」とさえぎられ続けていくと、一つのことにじっくり考えを巡らせる経験が少なくなっていき、じっくり考えることに耐えられなくなってしまう、と考えられます。
話しかけても気が付かないくらい没頭できることは、祝福してあげたいくらいのもの。ぜひ見守ってあげてください。


【おすすめ書籍】

🌼『子どもの本質100 何かができたときは、お母さんに見てほしい』


高濱 正伸(たかはま まさのぶ)

高濱 正伸(たかはま まさのぶ)

花まる学習会代表・NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長。1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。1995年には、小学校4年生から中学3年生を対象とした進学塾「スクールFC」を設立。チラシなし、口コミだけで、母親たちが場所探しから会員集めまでしてくれる形で広がり、当初20名だった会員数は、23年目で20000人を超す。また、同会が主催する野外体験企画であるサマースクールや雪国スクールは大変好評で、延べ50000人を引率した実績がある。 各地で精力的に行っている、保護者などを対象にした講演会の参加者は年間30000人を超え、毎回キャンセル待ちが出るほど盛況。なかには“追っかけママ”もいるほどの人気ぶり。

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